満漢全席

2006年 4月サントリー烏龍茶に中国宮廷料理フィギュアが付いていました。

満漢全席とは、中国清朝時代より始まった、皇帝主催の宴会で供された料理メニュー。幾晩もかけて膨大な献立を楽しんだといいます。

このシリーズも袋に中身が書かれているので、順調に揃えることができました。
しかし、な、何とNo.1のフィギュアにNo.10のリーフレットが入っていました。仕方がないのでもう一つ買うと今度はNo.4、さらにもう一つ買うとまたNo.10のリーフレット
いったい・・・
キャンペーン事務局に電話するとNo.1のリーフレットを3枚送ってくれました。

1.金勾翅湯(ジンゴウチータン)

高級中華料理に欠かせない食材であるフカヒレとナマコを使ったスープ。フカヒレはサメの種類や部位、産地によってランクや価格が複雑に決められているが、満漢全席では最高級のフカヒレが味わえるはず。日本でも大人気の食材だが、江戸時代中期には、干しアワビ、干しナマコとともに幕府の主要貿易品として中国へ輸出されていた。俵に詰めて輸出されたことから「俵物」と呼ばれ、長崎にはこれらを扱った「俵物役所」跡がある。

2.京蔬四宝(ジンシュースーパオ)

油菜心(ユー ツァイ イン)、ベビーコーン、干し椎茸、人参などを使った蒸し野菜のあんかけ。油菜心は、菜心(ツァイ イン)とも呼ばれるヨーロッパ原産の植物。菜の花と同じアブラナ科の越年草で見た目も似ているが、苦みがより少ないため食べやすい。ビタミンAやビタミンC、カルシウムなど栄養素を多く含むのも特徴。年間を通して食されるが、特に蕾を一緒に食べることで、春の訪れを感じることができる食材の一つだ。

3.葱焼海参(ツォンシャオハイシェン)

干したナマコを水で戻し、ネギ、香味野菜を加え醤油で煮付けた料理。イボのような表皮を持つ海生生物・ナマコは、日本では生で食べることが多いが、中国では内臓を取り除き、ゆでて干したものを「海参(ハイ シェン)」と呼び珍重する。薬用人参と同様の競争効果があると信じられ、「海の人参」という意味で「海参」と名付けられたという。海参はツバメの巣やフカヒレ、熊の手と並ぶ高級食材であり、宴席の格を表す一品である。

4.孔雀蟹王翅(コンチュエシェワンチー)

フカヒレとアワビ、蟹の卵を使って孔雀をかたどった盛り付けがゴージャスな雰囲気を演出している満漢全席らしい一品。高級食材として知られるフカヒレが中国の文献に最初に現れるのは16世紀末の「本草網目」という書物。宮廷料理に登場するのは18世紀になってからで、清朝の全盛期である6代乾隆帝の頃という。乾隆帝は美食家としても知られ、この頃、満漢全席が盛んに行われた。その後、フカヒレ料理が上流階級に普及した。

5.清蒸(魚辺に時)魚(チンジェンシーユー)

揚子江で初夏にとれるヒラコノシロという魚を、椎茸やタケノコ、ハム、生姜などとともに丸ごと蒸し上げた中国の伝統的な宮廷料理。ヒラコノシロは揚子江下流の川と海を回遊する魚。さっぱりとした味わいが特徴だが、ウロコの下にある脂肪の部分に旨味があるためウロコを取らずに調理する。しかし、現在では乱獲やダムの建設の影響で絶滅に瀕し、”幻の魚”と呼ばれるほどになっている、貴重で高価な食材だ。

6.乾焼大蝦(ガンシャオダーシャー)

香味野菜と唐辛子をたっぷり入れた、日本でもおなじみのエビチリソースの豪華版。古来よりエビは滋養強壮効果のある食材として重宝されており、さまざまな方法で調理され宴席料理の献立に組み込まれていた。ちなみに中国料理の名前は、調理法と材料の組み合わせとなっているものが多く、「乾焼」の2文字は炒めた材料を汁気がなくなるまで煮る調理法のこと。「焼」は焼き物ではなく煮込み料理を意味する漢字なので、注文の際はご注意を。

7.脆皮焼乳鴿(ツイピーシャオルーグー)

鳩の皮を丸ごと煮たあと、まんべんなくタレをかけ、黄金色になるまでじっくりと焼きあげる。日本では鳩料理は少ないが、鳩肉にはタンパク質、ビタミンB1、B2、鉄分を多く含むことから、中国では強精食として珍重されている。また、格を重んじる宴席において鶏や魚などを料理する場合は、元の姿のまま調理するか元の姿に近い形で盛り合わせる。これは完全無欠を意味し、慶賀の象徴としてふさわしいものとされているからだ。

8.緑茵白兎餃(リューインパイトゥージャオ)

うさぎをかたどった蒸し餃子に、油菜心(ユー ツァイ シン)の炒め物を添えた点心。熟練した料理人によって作られる動物や花などの形をした芸術品のような蒸し餃子は、清朝末期に権勢を誇った女傑、西太后も好んで食していたといわれる。ちなみに日本で餃子というと「焼き餃子」をイメージするが、実は中国ではあまりポピュラーではない。餃子と言えば、蒸して作る蒸し餃子、ゆでて作る水餃子、湯餃子(スープ餃子)の方が一般的だ。

9.豌豆黄・芸豆巻(ワンドウホワン・ユゥンドウジュエン)

ほのかに自然な甘みをたたえるエンドウ豆で作られた羊羹(豌豆黄)と、小豆の餡をインゲン豆の生地でロール状に包んだ菓子(芸豆巻)。絶対的権力を手にし、敵対する人物に残酷な罰を与えたことで知られる清朝末期の女傑・西太后も甘いものが大好物だったという。中でも、皮膚の炎症を抑える効果があるというエンドウ豆の羊羹を好んで食したそうだ。ちなみに満漢全席では、前菜に甘味を供すのが正式とされているようだ。

10.杏仁豆腐(シンレンドウフ)

杏仁(きょうにん)と呼ばれるアンズの種の中身を寒天やゼラチンで固めたもの。日本では寒天で固めて果実とシロップを加えるタイプが普及した。杏仁は食材としてだけでなく、古くから咳止め、消化促進などの効用を持つ漢方薬として用いられてきた。また世界三大美女の一人・楊貴妃は杏仁を全身に塗って美貌を保っていたという伝説もある。つまり、杏仁豆腐は、医食同源の知恵が詰まった健康デザートと言える。

11/12.服務子姐(フーウーシャオジェ)

満漢全席では、給仕の女性も清朝の宮廷服を着用することで雰囲気を演出する。服は、現在のチャイナドレスの元になった「旗袍」(チーパオ)。清時代の満州族の女性が身につけたものだが、満州族が漢民族を支配したことで中国に広まった。現在のチャイナドレスとは異なり、身体の線が分からないようにゆったりと作られている。頭には「両把頭」と呼ばれる大きな飾りを付け、首にはスカーフを巻いている。ちなみに給仕の女性に声をかける時は服務員(フーウー ユェン)と呼ぶ。

13.烏龍茶(ウーロンチャー)

中国茶はお茶の葉の発酵度合いの違いで大きく6つに分けられる。茶葉を半分程度にほどよく発酵させたお茶が烏龍茶。烏龍茶は明(ミン)の時代に皇帝へ献上するためのお茶として生まれた。また烏龍茶という名前は茶葉の色が烏のように黒く、形は龍のようにねじれていることから命名された。この「龍」という文字は天子(皇帝)を指す言葉でもある。海洋堂オリジナルの満漢全席、仕上げにサントリー烏龍茶をお愉しみください。