高山の花鳥

2006年 5月サントリー天然水(南アルプス)(阿蘇)500mlペットボトルに高山の花や鳥、魚、動物のボトルキャップフィギュアが付いていました。

ライチョウ(冬羽)

雷鳥 【学名】Lagopus mutus
標高2400m以上の高山で、1年中くらす唯一の鳥。夏は、腹側を除いてオスは黒い羽、メスは黒・黄・白のまだらの羽をしている。オスメスとも目の上に赤い模様がある。冬は、羽が少しずつ生えかわり、すべてが雪と氷におおわれるころまでには、まっ白になり、雪の上では、目につきにくい。また、アイゼンのように、氷に食いこむするどい爪がある足は、ふんわりとした羽毛に包まれ、寒さから守られる。これらは、氷点下の猛吹雪にみまわれる、過酷な地を生きのびるための姿だ。高山の環境に見事に適応しているこの鳥は、「氷河時代の生き残り」といわれている。

ライチョウ(夏羽)

雷鳥 【学名】Lagopus mutus
メスの夏羽はまだら模様をしていて、生息地に生えている背の低いハイマツの中や岩場では、姿がほとんどとけ込んでしまう。ヒナを育てる大事な次期に、天敵のオコジョやタカの目をたくみにあざむく仕組みとなっている。高山にくらすライチョウのヒナは、ほかの鳥に比べて成長が早い。卵からかえると、数時間後には歩き始め、自分で食べ物を探す。7月に生まれたヒナは、2ヶ月半で親と同じ大きさまで成長する。そのぐらい急ピッチでないと、10月に始まる長く厳しい冬に間に合わないのだ。5~6羽いたヒナも、タカにねわれたり体温が低下したりして、このころには1~2羽に減ってしまう。

キクイタダキ

菊戴 【学名】Regulus regulus
ウグイス色の体に、頭頂の黄色が目印のこの鳥は、スズメよりさらに小型で、日本最小サイズ。体重は、たったの5グラムほど。本州中部以北の高い山にくらし、冬は山ろくや暖地へ移動する。オスは、頭頂の黄色い冠羽を開いたり閉じたりして、ふだんは埋もれている一筋の赤い模様をちらつかせる。メスに対するアピールと考えられている。体が小さい上に、針葉樹の細い葉のすき間をちょろちょろといそがしく動き回るので、姿は見つけにくい。小さい体からくり出される声もやはり小さく「チィチィチィチリリリリ」と高音でさえずる。

コマドリ

駒鳥 【学名】Eribacus akabige
4月の終わりごろに、夏鳥として南の国からやって来る。1000m以上の山地で、笹やぶのある暗い林を好む。ウグイス、オオルリと並んで、さえずりの美しい「日本三鳴鳥」として知られている。スズメほどの大きさの体からは「ヒン、カラカラカラ・・・」と、清涼感あふれるさえずりがくり出され、森に吸いこまれていく。このオスのさえずりが、駒すなわち馬のいななきに似ていることから、名前がついたという説もある。顔と胸のオレンジ色が鮮やかで、ほかの鳥と見間違えることはないだろうが、よく繁った笹やぶなどでさえずることが多いため、残念ながら姿をとらえるのは難しい。

ホシガラス

星鴉 【学名】Nucifraga caryocatactes
ココア色の体に、白い水玉模様が何ともおしゃれな鳥。名前を知らなければ、カラスの仲間とは思えない。やみ夜に星をちりばめたようでもあり、名前の由来になっている。自然の中で見かけると、白い水玉が目立ち、はっとする。北海道、本州、四国の高い山にくらし、冬には山ろくに降りてくる。秋に木の実をコケの間などに隠して、冬にほり出して食べる行動(貯食)が観察されている。うっかり忘れられた木の実は、春になって芽を出すこともあり、ホシガラスは、森の成長に一役買っている。鳴き声はカラスの仲間らしく、しわがれた声で「ガァガァ」と鳴く。

オコジョ(冬毛)

オコジョ 【学名】Mustela erminea
胴長短足が特ちょうの、イタチの仲間である。しなやかで茶色い体は18cmほどと、イタチの中では小型だ。本州の高い山にくらす。かわいい外見からはとても想像できないが、気性はとても荒い。主にネズミを食べるが、ノウサギやライチョウなど、自分より大きなえものをおそうこともあり、まるで小さな悪魔だ。そんなオコジョも、タカなどの天敵から身を守るためか、冬にはまっ白な毛が生えかわり、雪の上を動いていても見つけにくい。しかし、全身が白くなっても、そこだけ色を変えるのを忘れてしまったかのように、尾の先だけは不思議と黒いままである。

ニホンカモシカ

日本氈鹿 【学名】Capricornis crispus
シカというが、実はウシやヤギに近い。本州、四国、九州の山岳地帯に暮らす、日本固有の動物。体をおおう毛は、褐色から白に近い色までさまざま。2本の角は、オスメスともにある。目の側ににおいを出す部分があり、なわ張りにある岩などに、ひんぱんにこすりつける。生活場所は、山の急な斜面。危険が迫ったら、音と風をともなって、ごうかいに岩場を移動する。ほかの生き物には、まねできない芸当だ。その秘密はひづめにあり、裏側が、ふちを少し残して、あとはくぼんでいる。そのため、ちょっとした岩の割れ目をとらえて、進むことができるのだ。

ヤマトイワナ

大和岩魚 【学名】Salvelinus leucomaenis
イワナといえば、渓流つりの代名詞であろう。かつては秘境といわれた生息地である源流域にも、つり人を引き寄せている。従来ニッコウイワナとしてまとめられていたものから、別種としてヤマトイワナが区別された。見た目の違いは、体側の斑点。ニッコウイワナでは黄色く、年を重ねると共に薄くなっていく。一方ヤマトイワナの斑点は、オレンジ色で年を重ねてもうすくならない。生活様式には差がなく、どちらも川の源流部にくらし、夏でも水温が15℃以下の、清涼な水を好む。

クモマツマキチョウ

雲間褄黄蝶 【学名】Anthohariscardamines
分布は本州中部山岳のみに限られ、500mほどの場所から2500m以上の高山まで生息している。オスは、クリーム色の羽の先が、目の覚めるようなオレンジ色をしている。羽の裏側は、緑の斑紋で点々と彩られている。明治34年に発見されたのが信州の高山で、「雲の間を舞い、羽のはしが黄色いチョウ」という意味の名前がつけられた。さなぎで冬をこし、5月下旬の雪解けとともに成虫となってあらわれ、高山に春を告げる。太陽が雲や霧にかくれると、すぐ岩陰などに入って、寒さをやりすごす。太陽が出ると、岩の上で羽を広げて、のんびりひなたぼっこをしている姿が見られる。

コマクサ

駒草 【学名】Dicentra peregrina
高山の荒涼とした砂礫地の、岩がごろごろした中にいきなり生えている。コマクサは、その繊細な葉や茎からは考えられないほど、深く広い地中に根をのばしている。絶えず強風がふいたり、ガラガラとくずれやすい場所で生き延びてきた結果だ。つぼみの形が、駒すなわち馬の顔に似ているのが名前の由来。眼下に広がる雲海を見下ろしながら、人知れず花を咲かせるコマクサは、そのりんとした生き方や、姿の美しさから「高山植物の女王」とよばれている。花色はピンクが普通であるが、ごくまれに白い花が発見され、シロバナコマクサとよばれる。

天然水少女

Tennensui-syoujyo
高山の自然は美しいばかりではなく、都会に住む人間には時に過酷である。その中に踏み込むために、アウトドア製品は、撥水性や保温性、耐久性などが高い最新素材を取り入れ、機能性や軽量性、安全性を年々高めてきた。やがてはファッション性までも獲得し、トレッキングを楽しむ人々の層をぐんと広げている。サントリー天然水コマーシャルフィルムは雪解け水と少女の姿が、キービジュアルとなってきた。そのイメージを、高山のトレッカーに投影して、フィギュア化したのがこの「天然水少女」である。

ランタン

角灯 Lantern
人間は、今までに地球上のあらゆる秘境を探検してきた。現在のように科学が進んでいないころの探検は、さらに困難だったことだろう。野外で安全かつ快適に過ごそうと思うと、いくつかの道具が必要となる。ガソリンランタンもその一つだ。ゴーッという力強い音とともに闇をはらい、便利さと安心感を手に入れることができる。ガソリンランタンの誕生は、今から90年以上も前にさかのぼる。その原型は、第一次世界大戦が始まった1914年に、アメリカ人ウィリアム・コフィン・コールマンが生みのだし、「真夜中の太陽」と絶賛された。たしかに、星をながめたいときなどは、その光を弱めるほどだ。